イスラエル総選挙 連立協議へ、首相勢力過半数届かず
イスラエルで23日に総選挙(国会定数120)が実施され、24日と25日も開票作業が続けられた。2年間に4回の選挙を余儀なくされた政局の混乱を打破できるかが焦点だが、ネタニヤフ首相支持勢力は過半数の60議席に届かないとみられ、過去3回と同様に連立に向けた協議は難航が予想される。中央選挙委員会の開票結果発表は26日午前になる見通し。
イスラエルのニュースサイト「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、開票率91%の段階でネタニヤフ氏率いる右派与党リクードが30議席を獲得し第1党となるのは確実な情勢。ただネタニヤフ首相を支持する右派・宗教政党勢力を合わせても、過半数を確保できていない。一方、反ネタニヤフ勢力も過半数には届かない見込みだ。
ネタニヤフ氏は今後、新たな政権樹立に向けて反対勢力側にも連立への参加を呼びかけるとみられるが、厳しい交渉が予想される。
イスラエルの法律では選挙結果の最終確定後、リブリン大統領が首相候補に組閣を命じる。連立協議がまとまらなければ、再び総選挙を実施することになる。
イスラエルでは2019年4月と9月に総選挙を実施したが、いずれも連立協議が不調に終わり、20年3月の総選挙を経て、5月に新型コロナに対処するため緊急統一政府としてネタニヤフ連立政権が発足した。しかし、予算案を巡る連立政権内の対立で12月に国会が解散していた。
今回の選挙の投票率は67・2%と前回の71%を下回り、過去2年間で4度の選挙の中では最低となった。
(エルサレム 森田貴裕)