中国腐敗の根源は一党支配体制
遠藤誉氏が世日クラブで講演
一帯一路への協力は危険
中国問題に詳しい遠藤誉氏(東京福祉大学国際交流センター長)は25日、世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)で「習近平新体制と東アジア危機」と題し講演し、5年に1度の共産党大会を終えたばかりの中国新体制に対し「江沢民氏、胡錦濤氏、習近平氏の3代の赤い皇帝に仕え、政界入りに関心がなかった王滬寧氏(中共中央政策研究室主任)をチャイナセブン(政治局常務委員)に入れたことは、一党体制が揺らぐ危機意識があり、そばに置いておかないとやっていけないとの思いがあった」との見方を示した。。
また遠藤氏は「腐敗一掃に動く中国だが、腐敗の根源は一党支配体制にあり、自己矛盾もいいとこだ」と批判し「ハエもトラも叩(たた)く」腐敗一掃運動の限界を明らかにした。
さらに遠藤氏は核とミサイルによる挑発行動で極東の安全保障を揺るがしている北朝鮮に対し、「北朝鮮がグアムなどを攻撃し米が反撃すれば中国は中立を維持する」としながらも、「ひとたび米軍が38度線を越えて北へ進攻すれば、中国は直ちに必要な軍事介入をする」と予測した。
そして遠藤氏は「中国が北朝鮮の核に徹底して反対するのは、日韓が核保有する懸念があることが最大の理由だ」との見解を述べた。
なお遠藤氏は中国のユーラシア経済圏構築に動く一帯一路構想に対し、「日本の関与は中国の世界制覇に手を貸すだけで危険だ」と懸念を表明した。
講演に先立ち、同クラブの近藤会長は「共産党大会を終えた中国は今後、ますます言論統制を強化してくる。65万人の在日中国人のうち、3万人がスパイ活動に従事しているともいわれ注意が必要」と訴えた。