海洋プラスチックごみ問題、先進国と途上国で温度差


G20環境相会議

 長野県軽井沢町で行われているG20環境相会議の最大の課題は「海洋プラスチックごみ」問題だ。プラごみを減らしていこうという点では各国は大筋で合意しているものの、温暖化ガス抑制の時と同じように、すでに産業化した先進国と、工業化途上の新興国・途上国との間にはっきりとした温度差がある。

 欧州連合(EU)は徹底した排出抑制、さらに出てくるものに対してはイノベーションで溶解性の素材開発などを行って対応しようとしている。

 これに対して、新興国・途上国は排出抑制よりも、出てしまった海洋プラごみの処理・管理に力点を置いており、この状態で全体で排出量の確認・報告など強い統一規制を盛り込んだコミュニケが出されることには抵抗がある。

 しかし、G20環境相会議を初めて主導する議長国・日本としては主要テーマである海洋プラごみ問題で合意を導き出し、月末に大阪で行われる首脳会議に報告したいところだ。

 記者会見した原田義昭環境相は「大筋で合意した」と言い切ったものの、会議最終日に良い成果を得られるかどうか気を揉(も)むことになりそうだ。

(長野県軽井沢町 岩崎 哲)