日米 北非核化へ連携確認
貿易交渉、加速で一致
安倍晋三首相は26日(日本時間27日朝)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。両首脳は北朝鮮の非核化に向けた緊密な連携を確認し、トランプ氏は拉致問題の解決に「全面的に協力する」と明言。また、日米貿易協定の妥結に向け、交渉を加速させることで合意した。
トランプ氏 拉致解決に「全面協力」
両首脳の会談は約5カ月ぶり10回目で、約1時間45分にわたって行われた。北朝鮮の非核化について、ミサイルを含む完全で検証可能、不可逆的な廃棄が必要との方針を改めて確認。25日の露朝首脳会談などを踏まえ、今後の方針について擦り合わせを行った。
首相は会談後、記者団に「今後の米朝(交渉)プロセスを展望しながら、進め方について相当、突っ込んだやりとりをした」と述べた。首相は2回目の米朝首脳会談でトランプ氏が拉致問題を取り上げたことに謝意を表明。問題解決のため日朝首脳会談実現に意欲を示した首相に、トランプ氏は「全面的に協力する」と約束した。
今月開始した日米貿易協定交渉をめぐって、トランプ氏は会談の冒頭で、「日本が長年、米国の農産物にかけている高い関税を取り除きたい」と要求。5月25日から国賓として来日することにも触れ、「5月の訪日までに署名できるかもしれない」と早期締結に期待を示した。
これに対し首相は、日本企業の投資が米国での雇用増加に貢献していると説明。「ウィン・ウィンとなるように交渉を進めたい」と応じた。
首相は、来月のトランプ氏来日について、「令和時代の最初の国賓として、ご夫妻をお迎えできることをうれしく思う。令和時代も日米同盟は揺るがず、国際社会の課題に共に取り組んでいくという強いメッセージを発信したい」と強調。トランプ氏は「大変、光栄なことだ。訪問を楽しみにしている」と応じた。
首相夫妻は26日夜、ホワイトハウスでの夕食会に参加し、メラニア大統領夫人の誕生日を祝った。27日に首相はトランプ氏とゴルフをプレーする。
(ワシントン 山崎洋介)