ら致・ロシア・憲法改正―やり残したもの 安倍首相会見
辞意を表明した安倍晋三首相は25日午後5時から、首相官邸で記者会見し、7年8カ月の在任中にやり残したこととして、北朝鮮による日本人ら致問題の解決、ロシアとの北方領土問題解決と平和条約締結、憲法改正の3点を挙げ、これらが実現できなかったことを「痛恨の極み」とした。
一方で、政権のレガシー(遺産)として、雇用400万人創出、働き方改革、1億総活躍社会、集団的自衛権をはじめとする平和安全法制などを実現し、外交面では日米同盟の強化を基本に、「地球儀を俯瞰する外交」で環太平洋連携協定(TPP)参加、日米貿易交渉の進展などを挙げた。
新型コロナウイルス感染対策が「後手に回った」との批判については、「未知のウイルスで知見がない中で最善を尽くした」とし、世界各国と比較して、死者数・重傷者数や経済的影響を抑えている点を指摘。ワクチンの確保等、追加の対策を同時に発表した。
後任については自民党執行部に任せており、今後は「一議員として」憲法改正など党が決めた方針の実現に力を尽くすと述べた。