「社会民主」の日韓特集 文政権評価し違反問わず
反日路線に共鳴する左翼
社民党は社会党時代に韓国を認めなかったが、今や左翼勢力が反日民族主義を掲げて政権を奪い、その文在寅政権に同党機関誌「社会民主」はシンパシーを寄せている。
少し前だが同誌5月号は巻頭に「『3・1』日韓の落差」を特集し、「文在寅大統領は100周年の3・1節で何を語ったのか」と題するジャーナリスト・川瀬俊司氏の記事、「今、3・1独立宣言100年にどう向き合うべきか」と題する弁護士・内田雅敏氏の記事を載せた。
「3・1節」とは、日本統治時代の朝鮮で1919年3月1日に日本からの独立万歳を民衆が太極旗を手に叫んだ抵抗運動だ。この日の韓国の記念行事を、日本の公党の機関誌がトップで特集するのは日韓関係悪化が背景にあろう。
ただ、主張されるべき日本側の主張がない。同特集は「徴用工」「慰安婦」に言及する中で、1965年の日韓請求権協定や日韓慰安婦合意が文政権下で破壊されていることに触れず、文大統領が「『力をあわせ被害者の苦痛を実質的に癒やすとき、韓国と日本は心を通じた友達になれる』と、日本に向けたメッセージを発した」ことにも、二枚舌であると見ていない。
また、特集リードで「文在寅大統領は記念式典で、『平凡な人々』が立ち上がった3・1独立運動の世界史的意義を説き」と書き、川瀬氏も「文大統領の演説でまず紹介したいのは、冒頭部分で『労働者や農民、婦女子、軍人、車夫、妓生、と畜業者、作男、零細商人、学生、僧侶など平凡な人々』と、3・1独立運動の主人公を表現したことだ」と力説している。
つまり「独立宣言」に署名したキリスト教、天道教、仏教の宗教家を主役から外した。労働者の蜂起のように歴史を塗り替えることに左翼間で共鳴しているようだ。同党のイデオロギーを体現したような「友達」=文在寅政権が、反日路線を突き進むことに快哉(かいさい)を叫びたいに違いない。
しかし、社民党は反日的であっても日本で選挙をする政党だ。戦後の大野党も政党要件スレスレである。
編集委員 窪田 伸雄