「国民民主」統一会派結成 小沢一郎氏と野党結集に

「大きな党」潰した過去

 国民民主党の機関紙「国民民主」(2・15)1面に玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表との握手の写真が載り、「自民党に代わるもう一つの選択肢をつくる」との見出しで、両党による通常国会での統一会派結成について扱った。

 「究極の目標は、大きな野党の結集をはかっていくこと」(玉木氏)、「まずは2党で」(小沢氏)…1月24日の党首会談、同日の衆参両院議員総会、28日の国民民主党と自由党との両院会派合同総会など統一会派結成の経緯を記した記事で触れている。

 自民党に代わる大きな野党の結集に向けた構想は、かつて衆院に小選挙区制度を導入した政治改革派が企図した通り。その中心にいたのが小沢氏だ。が、新進党結党、民主党に合併と2度大きな党に乗り込み、2度分裂させた張本人。今では自身の自由党も衆院2議席、参院4議席の存在感乏しい小政党になった。

 国民民主党も民主党~民進党を継承したものの、支持率・第1野党の座とも立憲民主党に奪われている。まずは2党で弱者連合というところだろう。

 しかし、小沢氏への期待は大きいようだ。同紙8面にユーチューブで配信する国民民主党のネット動画番組「こくみんスタジオ」が25日にオープンしたとの広報記事が載るが、その日収録した玉木氏と小沢氏の対談の要旨を「政権交代可能な民主主義をつくろう」の見出しで扱った。

 小沢氏は安倍政権への批判を縷々(るる)述べた上で、平成時代について「これから来る次の時代の経過の時代だったと思う」と細川政権、鳩山政権による政権交代に触れ、「どうしてもこの次の時代には本当の議会制民主主義、政権交代可能な議会制民主主義を日本に定着させる」と訴えた。

 その「最初のレールを敷いて…(玉木代表ら)次の時代の人に委ねたい」と語るが、小沢氏は玉木氏の後見人となれるだろうか。両党の今後について、国民民主党は両院議員総会で「さらなる連携強化を進めるために政策等の協議を行う」と決めた。

 参院選での生き残りを懸ける両党は、今国会で合流を模索している。

編集委員 窪田 伸雄