「赤旗」の改憲反対 半減した国会正門前デモ
自作自演の「総がかり行動」
日本国憲法が公布された11月3日は、憲法記念日(5月3日)に次いで憲法が注目される。安倍晋三首相は開会中の臨時国会の所信表明演説で、憲法審査会が改憲案をまとめることを期待した。反対する野党勢力は、各地でデモを行った。
共産党機関紙「しんぶん赤旗」(11・4)は、東京・国会正門前で「総がかり行動実行委員会」「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が「大行動を呼びかけ」、これに共産党・小池晃書記局長、立憲民主党・有田芳生参院議員、国民民主党・小宮山泰子衆院議員、社民党・又市征治党首らが出席、主催者発表で1万8000人集まったと報じた。
また、大阪市北区・扇町公園で1万2000人、福岡市で500人、京都市で2200人、神戸市で600人が集まり改憲に反対したと伝え、運動の広がりを印象付けようとしている。
しかし、盛り上がりに欠けたというのが本当のところではないだろうか。「赤旗」報道で各地の人数を合計しても3万人余りと、全国アクションにしてはお寒い状況。昨年は東京・国会正門前の集会だけでも主催者発表で4万人だった。今年は半分以下の激減である。
「総がかり実行委員会」は一時、安保関連法反対の際には注目されたが、今では新味が失(う)せてしまったのだろう。なぜなら自作自演の運動だからだ。「総がかり実行委員会」には憲法共同センター、戦争させない1000人委員会、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会の3団体が連絡先になっているが、加盟団体が重複したりごちゃ混ぜである。「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」も同様だ。
結局は共産党と同党傘下団体の全労連、社民党系の全労協などの構成員が、時と場所、運動目的によって姿・形、数を分けていろいろな団体を名乗っているにすぎない。野党各党が支持を求めて代表者を送っても少ないパイの奪い合いになること必定だ。
編集委員 窪田 伸雄