「赤旗」今年の部数減
日刊・日曜合わせ2万以上、下降線たどった1~3月
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(5・2)の1面に「日刊紙・日曜版とも前進」の見出しで4月に同紙読者数が増えた記事が載った。「日本共産党は4月、総選挙・都議選での躍進へ、攻勢的に宣伝・対話をすすめるなかで『しんぶん赤旗』購読の訴えを広げ、日刊紙読者223人、日曜版読者1391人の前進となりました」。
ただ、記事の最後に「1月に開かれた第27回党大会後、『赤旗』読者は、日刊紙、日曜版とも初めて増勢に転じました」とあり、「前進」1面扱いの裏には1月~3月の後退があるようだ。普通、月ごとの党勢結果は内側ページの「日本共産党の活動」に載る。
そこで同紙を遡(さかのぼ)ると、「1月の党勢拡大の結果は、……日刊紙448人、日曜版2526人の読者の後退となりました」(2・2)、2月の結果は「日刊紙2136人、日曜版5784人の読者の後退となりました」(3・2)、3月の結果は「全党的には、転勤・転居、異動などによる購読中止も多く、日刊紙1592人、日曜版1万2338人の後退となりました」(4・2)と、後退が続いていた。
つまり、1月~3月で読者は日刊紙が4176人のマイナス、日曜版が2万648人のマイナスだったのだ。1月党大会で機関紙読者は日刊・日曜版合わせて約113万人と報告されている。それが3月末に110万人台に落ちていた。
一方、党員拡大は新入党員数だけ載る。1月は「975人が入党を決意」(2・2)、2月は「172地区で330人の新しい党員を迎え」(3・2)、3月は「2月を上回る375人の新入党員を迎え」(3・2)、4月は「全国で373人の新入党員を迎え」(5・2)たという。
しかし、離党者数は報告されないので、新入党員の数がそのまま党員増加とは言えない。1月党大会の発表では党員数は約30万人といい、2014年の第26回党大会の「30万5千人」よりやや減った。14年~17年の間、機関紙上で報告されてきた新入党員数と同数以上の党員が離党や死亡でいなくなったことになる。
苦しい「赤旗」拡大の様子が同紙2月2日付の「日本共産党の活動」ページに載った。「読者前進へあきらめず追求」という見出しの同党大分県西部地区の報告によると、同紙1月29日付の同ページに載った「日刊紙を1部購読している夫婦党員が、それぞれできちんと読むためにもう1部購読した記事や、未購読党員に働きかけて日刊紙読者が増えた記事について話し合う中で……常任委員が自ら購読」したという。
同党規約は党員に機関紙購読を必ずしも義務付けていない。「党勢拡大、機関紙活動に積極的にとりくむ」のは支部の役割で、地区は「支部活動を指導する直接の任務をもつ指導機関」。
その指導で、共産党員家族の場合、家に1部だけでは家族に「未購読党員」がいるので1人1部を働き掛けるわけだ。読者数後退の中で見出しの「追求」ならぬ追及が地区から支部・末端に強まっていたようだ。
編集委員 窪田 伸雄