小4児童が入学前の園児に動物の可愛さ伝える

東京大学弥生講堂で、全国学校飼育動物研究会21回大会

 子供の成長を育むことを目指す全国学校飼育動物研究会の21回目の大会が東京都文京区の東京大学弥生講堂で行われた。

武蔵村山市立第一小学校の取り組み

課題は継続、地域とのつながりも訴え

小4児童が入学前の園児に動物の可愛さ伝える

全国学校飼育動物研究会で4年生の総合的な学習の時間で扱った「園児のみなさん、ようこそ一小動物ランドへ」の交流会の取り組みを紹介する武蔵村山市立第一小学校の先生たち

 武蔵村山市立第一小学校の先生たちは、4年生の総合的な学習の時間で扱った「園児のみなさん、ようこそ一小動物ランドへ」(7月8、10日に開催)の交流会の取り組みを紹介した。児童たちの活動とともに、先生方の研究発表には寸劇風、対話的な場面が見られ「主体的・対話的で深い学び」の工夫の跡が見られた。

 4年生の総合的な学習の時間で「幼稚園・保育園と小学校の連携による動物飼育」を話題に取り上げた。児童から「4月に入学した1年生が動物を怖がっている。来年入学する幼稚園・保育園の年長さんが安心して学校に来てほしい」などたくさんの意見が出された。

 児童たちは「動物大すきえんじをふやそうプロジェクト」と称して素案作りに、やる気満々。日程も児童たちが電話で保育園の担当者と交渉するなどの経験もあった。

 事前に東京農工大学農学部の渡辺元教授から動物を前に、基本的な体のつくり、小さくちぎって、手のひらに乗せてあげると、山羊(やぎ)も食べやすいなど、指導を受けた。

 交流会では、園児たちの出迎え、開会式の司会進行も4年生が担当、自身満々で発表できた。「山羊のラッキーについて○×クイズ」「山羊を絵に書いた人形劇」「手のひらで餌やり」「山羊に慣れてきて角に触る」「ウサギに成り切り劇」「星型のカードでスタンプラリー」などを行った。園児たちは年齢が近い4年生から教わることで、自分たちでもできるかも、と意欲満々、楽しい時を過ごした。

 先生たちからは「単に調べたことを発表するだけではなく、来年入学する保育園の年長さんに、怖くない、可愛(かわい)い動物たちだ、ということを紹介するという明らかな目当てを持っていたので意欲的な学び・発表ができた」と先生たちも勉強になった交流会だった。

 「課題は継続」と押本純樹校長がアピールするように、同校は東京都教育委員会から動物飼育推進校の指定を受けているが、生き物が相手で、休日も怠ることができない。動物飼育を通して教職員や保護者、ボランティアが休日の世話をしているが、対応に苦慮することも多いという。

 発表の最後に「地域とつながりを求め、高齢者施設と交流を持つなど、学校という枠を超えて「街のアイドル」「武蔵村山市の愛玩動物」に育ってほしいと同校の学校動物飼育で中心的な役割を果たす三品佳子副校長が訴えた。