本当に大丈夫?その生活習慣 質疑応答

 生活習慣、自分では正しいと思っていたことが、意外と間違っていたりする。東京都健康長寿医療センターの主催で「ストップ!その生活習慣は本当に大丈夫?」と題して第150回老年学・老年医学公開講座がこのほど、練馬文化センターで行われた。講演後の質疑応答でバランスの良い食事、生活習慣病と膵臓(すいぞう)がん、脱水症状と脳梗塞・心筋梗塞などについて語られた。

減塩とバランスの良い食事を 北村明彦氏

生活習慣の改善でがんを予防 石渡俊行氏

脱水症状は脳・心筋梗塞のもと 丸山直記氏

本当に大丈夫?その生活習慣 質疑応答

右から社会参加と地域保健研究チームの北村明彦部長、老年病理学研究チームの石渡俊行部長、埼玉セントラル病院の丸山直記院長

 同センター社会参加と地域保健研究チームの北村明彦部長は、もともと、痩せている人は問題ないのだが、高齢になって、痩せてきた、というのは、筋肉が少なくなってきたということで、食事と運動で改善する必要がある。

 しっかりした食事をすると、塩分が体内に入りやすい。トイレに行っても、塩分が体内に残り、夜寝ている間に汗をかいて、血中の塩分濃度が高くなると、喉が渇いて、水分が欲しくなる。塩分・水分が多量になると、血圧が高くなる要因になりやすい。

 健康標語の「さあにぎやかにいただく」について、さ(魚)あ(あぶら)に(肉)ぎ(牛乳)や(野菜)か(海草)に(合いの手で意味はない)い(芋)た(卵)だ(大豆食品)く(果物)をバランス良く食べようというもの。

 東京都健康長寿医療センター老年病理学研究チームの石渡俊行部長は、井戸水を飲用にしていると、その中のピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃にすみ着き、慢性胃炎、胃潰瘍を起こし、がんに進展するケースもある。

 膵臓は胃の後ろ側、長さ15~20㌢、幅2~3㌢の臓器で、食物を溶かす膵液を作ったり、血糖値を調整するインスリンを作る臓器。膵がんの早期発見・早期治療を行いたい。だが、このがんは、健康診断、超音波検査、レントゲン検査などでも、見つけにくく、かなり進行した場合にしか、発見できない、非常に厄介な病気だ。膵臓がんにならない生活習慣を守っていただきたい。

 埼玉セントラル病院の丸山直記院長は、血液をサラサラにする薬を飲んでいるが、脳梗塞が不安だ、という質問を受けた。心房細動は心原性の脳梗塞の要因になる。薬の服用は致し方ないので循環器の先生とよく相談してほしい。脳梗塞は1分1秒を争い、病院に行き、血栓を溶解する薬を投与してもらうことが必要。日頃から、緊急時の病院を決めておく必要がある。脱水状態になると、心筋梗塞、脳梗塞のリスク・ファクターになるので「水は、薬だと思って、こまめに飲んでください」と常日頃から言っている。