年末年始も余裕ある読書を


 「寒いね、今朝は何度だった?」「日が暮れるのも早くなったね!」という会話がここかしこで聞かれる。早いもので、この間、新年を迎えたと思ったら、今年も年末を迎えた。年齢を重ねるごとに、だんだんと一年が短く感じるようになった。

 12月はクリスマス、年末の除夜の鐘、新年の行事、立て続けのイベントがあり、年末をテーマにした日本昔話の童話、クリスマスをテーマにしたアニメ、映画などの物語と出合う季節だ。学校が2週間程度の休みになり、親子そろっての読書やアニメ・映画鑑賞(DVDなど含む)は子供の頃の思い出として大切にしたいものだ。

 クリスマスといえば、サンタさん。サンタクロースを題材にした絵本も人気だ。大型絵本の『あわてんぼうのサンタさん』は、たくさんのサンタさんから、ホンモノのサンタさんを探し当て、自分のトナカイを見つけ出す、ゲーム感覚のロングセラー本だ。幼児から小学生低学年によく、読まれている。年末風景を取り入れた、日本の昔話「かさじぞう」なども心洗われる物語りだ。

 諦めなければ、かならず、成果を挙げることができる、勇気をもらえる本としてはフジコ・ヘミングさんの『希望の力』。著者は若い頃、ヨーロッパで実力が認められながら、リサイタル直前に聴覚障害で耳が聞こえなくなった。長い時を経て、再びピアニストとして活躍するようになった。彼女の波瀾(はらん)万丈の人生が描いてある。

 年末といえば、大掃除が欠かせない。一時『断捨離』という言葉をよく耳にしたが、身の回りを整理する「片付け法」などが注目を浴びた。『8割捨てればうまくいく!人生を変えるガラクタ整理法』(竹内清文著 PHP研究所)などがお勧めだ。忙しい年末年始、心の余裕を持って、楽しく、有意義に過ごしたいものだ。

(和)