紙の橋に10円玉が60枚乗ったよ

これならできる!自由研究講座 都立多摩図書館で

 お盆が過ぎ、夏休みも残りわずかになってきた。宿題の残りや、自由研究を何にしようと、アレコレと悩む時期になった。そんな中、東京都国分寺市の都立多摩図書館で小学生対象の、これならできる!自由研究講座「強い形をさがせ!」のイベントが行われた。

はがきを使って「強い形をさがせ」

紙の橋に10円玉が60枚乗ったよ

10円玉を乗せる子供たちの実験を見守る松田裕希子さん(中央奥)

 会場に集まったのは多摩図書館近隣の小学校低学年から高学年までの17人と引率で訪れた父母たち。同図書館の児童青少年資料担当・松田裕希子さんの指導の下で百科事典の土台に「はがき」で橋を作り、10円玉が幾つ乗るか、考え、実際に乗せる、という催しだ。

 最初のチャレンジとして、上下1センチのところに線を引き、(百科事典に乗せる足場)真ん中からはさみで二つに切り分ける。小学校低学年には言われた通り、丁寧に切る子がいたり、やるのが難しい子供もいた。作業が遅れている子には先生役の職員が丁寧に教える場面も。

 乗せる前に「10円玉が何枚乗るかな?」という松田さんの問いに1、3、5、7、8など意見が出た。実際に乗せてみると、5枚の子が7人いて、その前後に数人、最高で8枚乗った。

 今度は「二つに切った、はがきを2枚重ねにしたら、どうなるか」という松田さんの問いに、前の実験が頭にあったのか、2とか6という声はなく、10枚という予想が多かった。乗せてみると、13枚乗った子が5人と多く、最高は21枚という子もいた。

 松田さんが説明している間にどんどん、実験を繰り返す子、持っていた10円玉を転がしてしまい、床にコトンと落ちて、「どこに行った」と慌てる子、先生役の職員が拾う微(ほほ)笑ましい場面も。

 三つ目として、両端を折り曲げ、コの字形を伏せた橋の上に10円玉が幾つ乗るか、このあたりになると、子供たちもノリノリになって、予想よりも、やってみることが楽しくてしようがない状態に。予想では35枚前後が多かった。最高で83枚、60枚の子が3人、用意した10円玉(1人50枚)が足りない事態に。子供たちは「平らな紙でも、形によって、強さが変わるんだな」と実感した、ひとときとなった。

 図書館での催しだけに、何か、子供たちが、楽しく読める本をと、『しろいかみのサーカス』(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)を紹介した。この本は、「白い紙を二つに折れば、紙が立ちます。重ねればおうちになります。切り目を入れれば、びよーんと伸び、丸めて立てれば、石をも乗せる。こんなふうに紙たちはすてきなサーカスを繰り広げます。誰もが、どこでも楽しめる絵本です」と松田さんは話し、会を締めくくった。