東京都多摩地区教育推進委員会が報告会

カリキュラム・マネジメントを通して

子供の資質・能力の育成目指す

教育実践の報告を行う各学校関係者

教育実践の報告を行う各学校関係者

 東京都多摩地区教育推進委員会は、次期学習指導要領の方向性を踏まえ、「これからの時代に求められる資質・能力の育成-カリキュラム・マネジメントを通して」と題して立川市市民会館で教育関係者400人を集め、平成28年度研究報告会を開いた。また、千葉大学教育学部の天笠茂特任教授による「資質・能力の育成とカリキュラム・マネジメント」と題した講演が行われた。

 「教科横断を踏まえた教育活動の改善」「教育の質向上に向けたカリキュラムの構成」と、「Plan(計画)」「Do(実践)」「Check(評価)」「Action(改善)」のPDCAサイクルの推進を見据えたマネジメントの二つの部会から実践例が示された。

 「教科横断を踏まえた教育活動の改善」では複数教科で育みたい重点的な資質・能力を、①知識、技能②学びに向かう力、人間性③思考力、判断力、表現力――の3点に整理。

 これらにつながる各教科の学習内容を洗い出した上で、子供の実態を踏まえて資質・能力を効果的に育成するために必要な教科内容を明確にする必要性を発表。

 各教科の組織的な学習配列の編成を工夫した上で、児童・生徒に重点的に育みたい資質能力を自覚させることが大切であり、学習の後に記録していく「学びの履歴」を開発した。学習を振り返り、他の教科の学習で発揮できるように促し、自主的に記入できるよう、指導した。「学びの履歴」は教師として関連のある教科を意識して指導でき、次の学習の指導に活(い)かせる、としている。

 児童の実態として複数教科のいずれでも「3点の資質・能力がバランスがよく身に付いていない」場合には、課題の資質・能力育成につながる各教科指導を重点化する一方、複数教科で活用的に学びを高める学習配列を考慮した、などの報告があった。

 「教育の質向上に向けたPDCAサイクルの推進」では、重点的に育みたい資質・能力を育成する観点から教育活動のサイクルを推進。教育内容に焦点を当てて指導計画や学習活動などを「計画・実施、評価・改善する」を踏まえ工夫の経緯を説明した。