部活動問題へのある提案、休日は地域移行へ
学校の働き方改革の一環として、教師の負担増となっている部活動を外部委託してはどうかという声が高まっている。文部科学省も再来年度から休日の部活動を段階的に地域移行する方針を示している。
10月7日、「部活動の地域移行に関する検討会議」の初回会合が開かれた。保護者代表で出席した佐藤博之委員(日本PTA全国協議会副会長)からは家庭や地域の経済力によって、民間のスポーツ少年団にも部活動にも入れない子供もいるのではないかと心配する意見が出た。部活動をめぐっては、部活動顧問による体罰的指導が問題視されてきた。また部活動は日本独特のもので、世界にはあまりない。このため専門的な外部指導者に任せる方が、教員の負担も軽減されて良いと考える人が多いようだ。
ただ、部活動は日本の学校文化として定着していて、その教育的意義は軽視できないものがある。協調性、忍耐力など心身の鍛錬に繋(つな)がったり、教員も部活動を担当することでマネジメント能力や人間力を高めたり、プラス効果もある。
この長時間労働に繋がりやすい部活動問題について、大胆で先見性のある提案をしている人がいる。現場教師で弁護士でもある神内聡氏である。氏は、必修科目は午前中、午後は選択科目や部活動に当てるという、カリキュラムの抜本的な見直しを提案している。実際、最先端のICT利活用が進めば、従来の授業時数の半分で習得できると言われている。授業時数の削減、見直しは決してできないことではなさそうだ。
ゆとり教育見直し以降、学指導要領の内容は大幅に膨らみ、そのことも教師の負担増になっている。会合では働き方改革より子供を中心にした議論を、との意見が相次いだという。
個々の能力・特性を伸ばす意味でも、カリキュラムの抜本的な見直し、大いに検討してほしい。(光)