【上昇気流】牛乳の大量廃棄の恐れが出ている


乳牛Wikipediaより

 牛乳の大量廃棄の恐れが出ている。今年は夏が涼しく生産が増えた一方、消費は新型コロナウイルス禍で飲食業界向けが減少。冬休み期間中は学校給食向けの供給も止まる。

 「何も対策をしなければ、年末に5000㌧の生乳が廃棄される可能性がある」(金子原二郎農林水産相)という。これを受け乳業大手やコンビニエンスストアが、消費拡大へ知恵を絞っている。

 雪印メグミルクは北海道内で営業する喫茶店で、牛乳摂取推奨のチラシや牛乳を無料で配布。明治乳業は「牛乳を使うと減塩につながりコクも出せる」と和食への活用を提案している。

 牛乳を使った和食といえば、奈良県飛鳥・橿原地方の郷土料理の飛鳥鍋がある。鶏肉と野菜を牛乳と鶏ガラのダシ汁で煮込んだもので、歴史は古く、飛鳥時代に唐から渡来した僧侶が、寒さを凌(しの)ぐためにヤギの乳で鍋料理を作ったのが始まりという。気流子はまだ食べたことがないが、奈良や大阪に専門の店もある。

 生乳過剰でどこより深刻なのは北海道。鈴木直道知事は「酪農王国、北海道が大変、危機的状況にある」と強調。会見で牛乳を飲み干し、消費を呼び掛けた。それを見ながら、飛鳥鍋にすればどうかと思った。

 北海道には名物料理の石狩鍋がある。味噌(みそ)味をベースに鮭や野菜をふんだんに使った、もとは石狩地方の漁師料理。これを牛乳と鶏ガラの飛鳥鍋風にしてはどうだろう。素人の勝手な思い付きだが、結構いけるかもしれない。

(サムネイル画像:Wikipediaより)