投打二刀流で大活躍した大谷翔平選手
今季の米大リーグでは、日本人選手が野球選手の可能性を大きく広げた。投打二刀流で大活躍したエンゼルスの大谷翔平選手である。どちらか一つでも一流になるのは大変な中、投打共に優れた成績を残したことには驚嘆するばかりだ。
惜しくも本塁打王のタイトルは逃したものの、46本塁打、100打点は立派なものである。投手としても2桁勝利には届かなかったが、登板した中には、好投しながらも打線の援護に恵まれず、白星が付かなかった試合もある。何よりも、時速100マイル(約161㌔)超の豪速球は日米の野球ファンを大いに沸かせた。
大谷選手はプロ入り以来、二刀流を続けてきた。だが、これまでは中途半端な印象が残ったことは否めない。今季はジョー・マドン監督が起用法を変えたことが異次元の活躍につながった。
今までは登板の前日と翌日は試合に出場させず、登板当日は打撃をさせなかった。しかし、今季はこうした制限を取り払った。もちろん大谷選手の状態を細かくチェックし、疲労が見えたときは休ませた。
二刀流の陰には名将の存在があったと言えよう。ドジャース入りした野茂英雄投手とトミー・ラソーダ監督、ヤンキースの松井秀喜選手とジョー・トーリ監督との信頼関係が思い出される。
二刀流で故障もなくシーズンを全うできたことは大きな収穫だ。今季の最優秀選手(MVP)の有力候補でもある大谷選手に、来季以降のさらなる飛躍を期待したい。