酷暑の旅行の心得
地球だより
エジプトの夏の暑さは、年々酷(ひど)さを増している。赴任当初は太陽光の強さに驚かされたものの、暑さはこれほどではなかった。
最近、治安状況の改善もあって、日本人旅行客の数が回復傾向にあるが、それに比例するかのように、旅行中に体調を崩す人々が多くなった。
そもそもエジプト観光の「盛り」は、秋から冬と言われ、夏場は閑散期と言われてきたが、「アラブの春」の時期からの数年、テロなどの治安悪化が断続的に続いたことから、エジプト見学の断念を余儀なくされた人々が、集中的にやって来ているのかもしれない。
また、この夏休み期間でないと、まとまった休みが取れない人々が集中していることもありそうだ。とにかく、真夏の真っ盛りでも訪れるようになったのだ。
下痢する人が大半だが、中には頭痛に悩む人もいる。旅行中の寒暖の差が原因のようだと、日本人添乗員らは口をそろえて言う。数十人から成る一団体の中で、数人がそういう状態に陥っているのだ。
外は50度に近い高温の中で見学するかと思えば、船下りのフェリーやホテルに戻ると、キンキンの冷房の中で過ごすことになる。
この時期のエジプト観光客には、下痢止めと風邪薬が必須だが、熱中症の症状の人も見られるとのこと、万全の体調管理が求められている。
(S)