祭り祝うも火事が心配
地球だより
イスラエルでは5月22日の夜、ユダヤ教の祭り「ラグ・バオメル」を祝った。過ぎ越しの祭りから数えて33日目に当たるこの日、学校は休みになるが、店や官庁などは平日通りだ。ラグとはヘブライ文字数秘術のゲマトリア数式で33を表し、オメルは麦の束という意味。
この日は、2世紀の「バルコフバの反乱」で、ユダヤの反乱軍がローマ軍に初めて勝利を得た日とされる。また、ユダヤ教の偉大な指導者ラビ・アキバの弟子で、ユダヤ教神秘思想(カバラ)の中心的な教典「ゾハル」の著者である2世紀の賢人シモン・バル・ヨハイの命日とされる。
墓地があるイスラエル北部のメロン山には、今年も数万人の敬虔(けいけん)なユダヤ教徒たちが訪れ、聖火を灯(とも)して祈り、歌い踊り盛大に祝賀した。
ユダヤ人たちは、空き地でたき火をし、その中にアルミ箔(はく)で包んだジャガイモやタマネギなどを放り込む。子供たちの一番の楽しみは焼きマシュマロのようだ。たき火であぶってビスケットに挟んで食べたりもする。
友人たちとバーベキューで夜をにぎやかに楽しんで帰ってきた長女によると、たき火をしている空き地では、火災に注意するよう警官が見回りをしていたという。
エルサレムの山では、たき火の不始末と気温40度にもなる熱波も相まってか、数カ所で山火事が発生した。海外から消防飛行機の消火活動支援を受け鎮火したというが、火の不始末だけは勘弁してほしい。
(M)