毛布必須の高速バスの旅
地球だより
南米最大の広大な面積を誇るブラジル。国土面積は日本の20倍以上で、東西南北の距離はそれぞれ4300㌔を超える。これだけの広い国となると、長距離移動には飛行機が一番。ただ、飛行機は格安航空会社が増えてきた今も、ハイシーズンや人気路線はそれなりの値段がする。
また、ブラジルでは、日本のように鉄道が発達しているわけでもないので、手頃な価格で中・長距離を移動する場合は、高速バスの出番となる。高速バスはブラジル中の各都市を網羅しており、中には数千㌔を踏破する路線もある。
かくいう記者は、長距離移動に高速バスを使う機会が多い。車窓から見る景色に加えて、定期的に停車するパーキングエリアでその土地の特産品や人々との出会いという楽しみがあるからだ。
人種のるつぼであるサンパウロのバスターミナルでは、ブラジル各地への長距離バスに加えて、ペルーやパラグアイに向かう国際線の高速バスも多数出ている。引っ越しや家族へのお土産なのだろうか、飛行機ではとても運べない量の荷物を運ぶ人も少なくない。
実にさまざまな人々が利用する高速バスだが、多くの利用者に共通しているのが、「大きな毛布と枕」を手荷物として持ち込む姿だ。ブラジルの長距離バスはエアコンを強く利かせているため、真夏でも車内はとても寒く、毛布は必需品なのだ。また、14時間などという長距離バスも珍しくないため、大きな枕は快適な長旅に欠かせない。ブラジルならではの旅の知恵というわけだ。
(S)