伝統的な家庭の味


地球だより

 イスラエルの代表的なファストフードといえばファラフェルだ。物価の高いイスラエルだが、リーズナブルな値段で食べられるのはありがたい。

 お店で注文すると、すりつぶしたヒヨコ豆にさまざまなスパイスを混ぜ、油で揚げたピンポン玉サイズのコロッケのようなファラフェルと、ホムスというヒヨコ豆のペースト、細かく刻んだ野菜サラダ、ピクルスなどを平たく丸い袋状のピタパンの中に詰めて、タヒナというゴマのペーストのソースを掛け、サンドイッチのようにして出してくれる。サラダやピクルスだけは好きなだけセルフで詰め、お代わりできる店もある。

 肉や魚、卵、乳製品を使用しないので、イスラエルに多くいると言われるベジタリアンやビーガン(絶対菜食主義者)におなじみのメニューだ。

 このポピュラーなファラフェルを自分で揚げてみようと何度か試みたが、どうもうまくいかない。

 あるアラブ人の知人を訪ねた時、お姉さんがファラフェルを揚げるので食べていけと言う。ピタも手作りで、焼いているところを見せてくれた。

 ピタはヘブライ語だが、アラビア語ではホベズ、ファラフェルはヘブライ語とアラビア語共に同じだ。ファラフェルは中東の食べ物なのだ。

 揚げたてのファラフェルと新鮮な野菜を焼きたてのピタに詰め、パセリの入ったタヒナソースを掛けたサンドイッチをいただいたが、その風味とソフトな食感に驚かされた。伝統的な家庭の味は最高だ。

(M)