元日も平日


地球だより

 イスラエルでは、西暦の1月1日は新年の始まりではない。ユダヤ暦では9月に新年を迎える。ユダヤ人の街では、クリスマスや年末年始の雰囲気などはどこにも感じられない。ここでは通常通りの平日なのだ。

 例年は家族で過ごしていたが、元日は普通に学校へ行くと娘たちが言う。他の生徒たちは登校したのか気になって、帰宅した娘に尋ねてみると、クラスの半数近くは学校を休んだという。

 イスラエルのユダヤ人はユダヤ教徒で、クリスマスや年越し(ジルベスター)のお祝いなどしないと思っていた。しかし、ユダヤ人の中にも、クリスマスやジルベスターを祝う人々がいた。ロシアから移民してきたロシア系ユダヤ人たちだ。

 ソ連崩壊以後、旧ソ連からイスラエルへと移民してきたユダヤ人の中には、キリスト教徒と結婚した人も多くいたという。両親か祖父母のうち誰かがユダヤ教徒であればユダヤ人として認めるというイスラエルの帰還法によって、移民が許可されたのだ。

 イスラエルの人口は現在、約897万人と年々増加傾向にあり、うちユダヤ人が約666万人、アラブ人が約188万人、帰還法による移民が約42万人となっている。

 ロシア系ユダヤ人だけでなく、クリスマスやジルベスターの雰囲気を味わいたいという世俗派のユダヤ人たちは、休みを取ってエルサレムやナザレの教会を訪れたり、欧州へ旅行に出掛けたりもしているようだ。

(M)