光の祭りハヌカ
地球だより
イスラエルでは12月2日夜から8日間にわたりユダヤ教のハヌカ(清めの祭り)が祝われた。「光の祭り」とも言われ、ユダヤ教の祭りの中では一番華やかで楽しい祭りだ。街々には大きなハヌキヤという八枝の燭台が設置され、毎夕火が灯(とも)された。
紀元前2世紀、イスラエルの地はギリシャ人たちのセレウコス朝の支配下にあった。ギリシャ人たちはユダヤ教禁止令を出し、エルサレム神殿にギリシャの神々を祭って崇拝を強要した。この圧制に対し反乱を決意したユダヤ人が武装蜂起。前165年、ギリシャ人の軍を追い出してエルサレム神殿を奪還した。
その時、神殿の燭台を灯す油の壷(つぼ)には、1日分しか油が残っていないと思われたが、火を灯すと8日間も燃え続けたという。この戦勝記念と奇跡を祝うハヌカの期間中に、ユダヤ人たちは油にちなんだ料理を食べる。
イスラエル中のスーパーマーケットやパン屋などの店頭には、この時期限定で「スフガニヤ」というイチゴジャムなどが中に入ったシュガーパウダーの掛かった揚げパンが並べられ、楽しい雰囲気を醸し出す。
いつもは店から買って来るスフガニヤを今年は手作りしようということになった。お菓子作りが好きな次女がパン生地を捏(こ)ね、数時間寝かせた後、皆でドーナツ形に成型し、油で揚げた。フルーツジャムやハチミツなどを付けていただく揚げたての自家製スフガニヤは格別だ。甘い香りに釣られてか、ご近所さんがやって来た。
(M)