クリスマスの月


地球だより

 フィンランド語で12月はヨールクー(joulukuu)と言い、「クリスマスの月」という意味だ。ちなみにサンタクロースはヨールプッキ(joulupukki)と言う。このように12月はクリスマス一色となる。

 あちこちにクリスマスマーケットができ、教会ではコンサートが開催され、「クリスマスラジオ」局が始まり、あらゆるジャンルのクリスマスミュージックを流す。

 また、午後3時には暗くなり、多くの家の庭先、ベランダ、玄関の入り口にローソクが灯(とも)され、窓には白熱球やLEDライトによる星の形などイルミネーションが飾られる。光の色は黄色がかった白がほとんどで素朴な感じだ。

 イブは、家族や親族が集まる。まずサウナに入り、そしてクリスマス料理を楽しむ。ちなみに食卓のメインは豚。何時間もオーブンでじっくり焼き上げたジューシーなローストハムだ。

 食後のプレゼント交換の時間になると、特に小さな子供がいる家庭ではサンタに扮(ふん)した親族などがプレゼントを持って訪れる。わが家の子供も小さい時は不思議に本物のサンタと信じたものだ。

 イブの夕方、近くに一家の墓があれば、出掛けてローソクを灯す。墓地を訪れると数々のローソクの明かりで何とも言えない厳かな雰囲気が漂う。

 朝、クリスマスになると普段は教会に通わない人でも礼拝に参加し、イエス・キリストの誕生を祝う一時を持つ。ヨールクーは一年で特別の月なのだ。

(Y)