ユダヤにも「食べ合わせ」


地球だより

 イスラエルの国民の8割はユダヤ人、つまりユダヤ教徒である。その中でユダヤ教の戒律を厳格に守る者は約2割、ある程度戒律を守っている者は約6割、ほとんど戒律を気にしない者は約2割いるとされる。

 ユダヤ教の戒律の中に食事規定(コーシェル)というものがあるが、その一つに、一緒に食べてはならないものが規定されている。

 旧約聖書の出エジプト記の中に、「子山羊を、その母の乳で煮てはならない」とあることから、ユダヤ教指導者(ラビ)によって拡大解釈され、ユダヤ教徒たちは肉と乳製品を一緒に食べることをしない。

 エルサレムのピザ店でピザを注文してみても、チーズの上にサラミが存在することはなかった。

 先月、次女が通っていた中学校の女性のクラス担任の先生が、卒業した女生徒たちを招いてパーティーを催した。そこに出掛けた次女は半日ほどして喜んで帰ってきた。

 話を聞くと、パーティーが終わり、後片付けをしていた時、台所に二つある洗い場で、皿を洗おうとしたら友達に止められたという。その理由は何と、ユダヤ教の戒律によるものだった。肉と乳製品は使用する食器が別で、洗い場も別々になっていて、危うくユダヤ教の戒律を破るところだったという。

 ユダヤ教では、コーシェルにより、食べて良いもの、いけないもの、一緒に食べてはならないものがあるとは聞いていたが、食器や洗い場まで別にしているとは恐れ入った。

(M)