100年を迎えた夏時間


地球だより

 米国には春から秋にかけて時計を1時間進めるサマータイム制度があるが、今年は1918年に初めて導入されてからちょうど100年となる。

 夏時間は、毎年3月の第2日曜日に始まり11月の第1日曜日まで続く。今年は3月11日の午前2時で時間が切り替わった。

 携帯電話の時計は自動的に切り替わるが、アナログ時計などは手動で調節する必要がある。筆者はこの日の午前中に知人との待ち合わせがあったので、時間を間違えて遅刻しないようにと、前日の夜に家にあるアナログ時計の針を1時間早めておいた。筆者のように日本で長く暮らしてきた者からすると、故障したわけでもないのに時計の針を進めるのは不思議な感じがするが、新鮮でもある。

 サマータイムには、明るい日中の時間を活用して電力消費を減らす狙いがある。しかし、実際に省エネ効果があるのか疑問視する声があるだけでなく、夜の時間が1時間短くなることで睡眠時間が削られ、交通事故や職場でのケガが増加するとの批判もある。

 その一方、夏時間が始まると、全米の大部分の地域では夕方7時になってもまだ日が沈まなくなる。米国人は、朝早く出社しあまり残業することなく定時には退社するという朝型の生活スタイルだ。日没時間が遅くなれば、仕事から帰宅した後、家族らと夕方の時間をゆっくりと過ごせることになる。一部で批判があっても、サマータイム制度はこうした米国人の生活に根付いているともいえる。

(Y)