土地めぐる二流ドラマ
地球だより
タイではこのほど、財務省による土地公示価格が発表された。
この公示価格はあくまで課税額を算出するためのベースになるもので、実勢価格とは異なるもののタイのどこが、経済的に加熱しているのか一目瞭然で興味深い。
タイで最も地価が高いのはバンコク一のビジネス街シーロム通り。1坪より一回り広い平方ワー(4平方メートル)あたり100万バーツ(約350万円)だ。
日本で一番高い土地は、東京・銀座の鳩居堂前だが、その1坪1億3200万円と比べるまだまだだ。
なお、バンコクで最も安いのはバーンクンティアン区で、道路に面していない利用価値の低い土地で平方ワー500バーツ(約1750円)と廉価だ。人口700万人を擁するバンコクは結構広く、バーンクンティアン区はバンコク南西の端に位置する。
またバンコクほどではないが、古都チェンマイ、ビーチリゾートの観光地パタヤ、マレーシア国境に近いハジャイやラオス国境に近いウドンタニー、コーンケーンなどは、結構人気があり地価もそこそこ。
さてこれほどの価格なら、先行投資してタイの土地を持っておこうという輩が少なくない。
ただ、外国人の土地所有は認められていない。そこで、タイ人と結婚して夫人名義で土地購入したり、名義貸しで入手ということになる。
だが、土地購入が終わった途端、夫人から離縁されたり、名義貸しのはずがそのまま知らんぷりといった形で詐欺に遭う“二流ドラマ”は後を絶たない。
(T)