ウーバー運転手の不安


地球だより

 取材などで移動するときは、たいてい車か地下鉄を利用している。しかし、先日、タクシーも地下鉄も走っていない場所に行ったので、米国に来て初めてスマートフォンを利用した配車サービス「ウーバー」を使ってみた。

 入力画面に行き先を打ち込むと、数分で車が到着し、すぐに目的地まで運んでくれた。

 あまりの便利さに今後も使う機会があるかもしれないと、米首都ワシントン郊外にある自宅周辺にどれほどウーバーの車がいるのかスマートフォンのアプリで確認してみた。すると今まで気が付かなかったが、結構多く走っていたので驚いた。供給過多で1人当たりの稼ぎが少なくなっているのでは、と他人ながら気にしてしまうほどだった。

 しかし、休日などにウーバーの運転手をしているモンゴル人の友人Mさんに言わせれば、運転手にはもっと大きな不安があるという。

 それは、ウーバーのサービスを展開しているウーバー・テクノロジーズが自動運転技術を搭載した「無人タクシー」を数年以内に投入する計画を持っていることだ。

 Mさんは「いい小遣い稼ぎになるサービスができたと思ったら、すぐに機械に取って代わられるかもしれないなんて」と愚痴をこぼしていた。

 ネットを利用した新サービスが次々と生まれる時代だが、その分移り変わりも激しいということを実感したようだった。

(Y)