配車アプリ「Uber」が席巻
地球だより
ブラジルで配車アプリ「Uber」の勢いが凄(すご)い。ブラジルでは、一昨年の3月にリオデジャネイロでテストが開始されたばかり。タクシー業界の反発や政治的な判断などでさまざまな紆余(うよ)曲折がありながらも、爆発的に成長してきた。今では、ブラジルの各主要都市で運用されており、登録している運転手の数は実に5万人にもなろうとしている。「Uberブラジル」は、米国、インドに続く同社の稼ぎ頭だ。
かくいう記者も、サンパウロで「Uberブラック(上級サービス)」の運用が始まって以来の利用者だが、初めて利用した時から「もう通常のタクシーは使えない」というのが偽らざる感想だ。
ブラジルのタクシーに大きな不満があるわけではない。ラテン気質の明るい運転手が多く、話題は豊富で楽しい。
しかし、夏の暑い日にエアコンが壊れていることや、サンパウロ国際空港までの決して安くないタクシー代、種々の割増し運賃など、改善してほしいことがあったことも確かだ。
その点、Uberならば、乗車前に運転手に対するユーザー評価が分かり、運賃が通常のタクシーの半額近くに収まることも大きい。また、ミネラルウオーターなども車内に顧客用として常備されており、車体も新しくしっかりと整備されているクルマが多い。これだけの要素が集まればUberに顧客が流れるのも無理からぬことだ。
タクシー業界が、行政当局に規制を求める動きが本格化しているが、利用者の強いUber支持は簡単に崩せそうにない。
(S)