初の女性メダリスト誕生


地球だより

 最近はフィリピンでも回を追うごとにオリンピックが注目を集めるようになった。著しい経済発展の恩恵を受けて、国民のスポーツへの関心も高まっているのかもしれない。しばらく前までフィリピンでスポーツの祭典といえば、日本人にはなじみのない東南アジア競技大会だった。

 今回のリオ五輪では、フィリピン代表の女性重量挙げ選手が、20年ぶりに銀メダルを獲得して話題を呼んでいる。フィリピン初の女性メダリストで、さらにボクシング以外の競技でも初のメダルだという。まさにフィリピンにとって、歴史的なオリンピックとなった。帰国した選手は、さっそく政府から500万ペソ(約1000万円)の報奨金を受け取り、さらにドゥテルテ大統領が200万ペソを追加した。次のオリンピックを目指す若者たちの励みになるに違いない。

 しかしその一方で20年前のアトランタ五輪で、銀メダルを獲得したボクシング選手が、いまだに政府から報奨金を全額受け取っていないことも話題となっている。同選手は250万ペソを受け取る予定だったが、法制の問題で半額しか受け取れなかったと訴えている。ボクシングジムを作ることを夢見る彼は、国民的ボクサーで上院議員のパッキャオ氏に支援を求めている。

 国家的なアスリートの育成のためにも、政府には一貫した支援を願いたいものだ。

(F)