フィリピンで相次ぐ邦人逮捕


地球だより

 日本ではあまり話題になっていないようだが、最近現地で立て続けに日本人が逮捕されている。いずれも女性に関連する事件だ。

 一人はマニラ首都圏に住む50代の男性で、インターネットを使ってフィリピン人の少女を米国人などに斡旋(あっせん)していた疑いが持たれている。フィリピンの国家捜査局(NBI)と米連邦捜査局(FBI)の共同捜査によって逮捕されたが、間もなくして拘置施設のトイレで自殺しているのが発見された。

 もう一人は60代の男性で、セブ島のホテルで未成年者の少女と一緒にいたところをNBIが逮捕。男性は少女と出会い系サイトで知り合い自己紹介が19歳となっていたため未成年者だとは知らなかったと説明している。

 最近はフェイスブックなどソーシャルネットワークで、日本に居ながら簡単に海外の女性と知り合うことができる。しかしネット上で相手の年齢や性格などの素性を知るには限界があり、現地に行ってからトラブルに巻き込まれるケースも多い。結婚するつもりで現地を訪れ、家の購入やビジネスへの出資などをさせられた揚げ句に女性が失踪し、一文無しとなって困窮する外国人も後を絶たない。

 美しい自然やビーチなどの観光地を訪れる外国人も多いが、女性との出会いを求めてフィリピンを訪れる男性が多いのも否定できない事実。しかし何か問題が起きても異国の地では誰かに助けを求めることは難しい。現地の日本大使館も、この手の問題には弁護士を紹介するくらいで基本的にはノータッチらしい。海を超えた出会いは刺激的だが、リスクは自己責任である。

(F)