断水、やるやる詐欺?
地球だより
聖週間の連休に合わせ、洪水対策の工事を行うため、マニラ首都圏の広い地域で断水が行われるとの通知があった。記者が住んでいるマンションでも、3日間にわたって断水があるとエレベーターに張り紙があった。
フィリピンの場合、多くの家庭で水道水は飲まない。飲料水は大きな容器に入ったものを定期的に購入するので、断水でも数日なら問題ない。
一番問題なのはシャワーに使う水だ。この国では外出する前にシャワーを浴びる習慣がある。つまりシャワーを浴びないと外出に躊躇(ちゅうちょ)する国民性なのだ。実際、過去に何度か知り合いとの待ち合わせで、「断水でシャワーが浴びられない」という理由で、予定をキャンセルされた経験がある。
フィリピンに来た当初は憤慨したが、こちらの生活に慣れてくると確かにシャワーでさっぱりしないと、外出する気にはなれないから不思議だ。
というわけで、断水に備え大きなポリバケツを用意。ほかにもゴミ箱や鍋などあらゆる容器にトイレや食器洗いのための水を蓄えた。そして万全の態勢で断水の時を待ったが、予定の2日目になっても一向に断水にならない。予定がずれ込んでいる可能性もあり、ため込んだ水を捨てることもできず非常に困った状態に陥った。
この国では突発的な断水や停電に見舞われ困ることも多いが、予告しておいて断水が実行されないのも迷惑な話だと思った。
(F)