カシューアップルの美味しさに触れるーブラジルから
地球だより
先日、郊外に農園を持つ日系人の知人から大量の「カシューアップル」を頂いた。カシューアップルは、カシューナッツに当たる種とリンゴのような色と形をした実の部分でできている。原産はブラジル、現在は中南米やインドなどで広く栽培されている。
独特な形をしており、リンゴのへたの部分に殻付きのカシューナッツがくっついているとでも言えばよいのだろうか。とても不思議な形をしているので、ぜひインターネットで検索してみてほしい。
筆者も、初めてカシューアップルの実がなっているのを見た時は驚いた。カシューナッツは個人的に大好物だが、まさか実がこのような形をしているとは、想像もできなかったのだ。
カシューアップルは実の部分の皮がとても薄く、保存に適さない。このため、長距離輸送に耐えることができず、日本で実の部分を見ることはほとんどない。
ブラジルでは、カシューアップルの実の部分を搾り、ジュースにして飲むことが多い。ただ、カシューアップルは、ブラジルの果物の中では高級品の部類に入るので、100%のジュースを冷凍ではなく生で飲む機会はあまりない。
大量に届いたカシューアップル、早速、手で搾り、冷蔵庫で冷やしてからいただいた。多少の渋みはあるが、ほのかな甘さと独特の匂いでとても美味(おい)しい。街中のスーパーや果物店で見掛けるカシューアップルは、輸入リンゴもかすむほどの高級品だが、「癖になるほどの美味しさ」と知人が言う理由も分かる体験だった。(S)