「最も奇妙な国」インド
地球だより
学生時代の友人が、世界旅行をした際、最も奇妙な国として印象深かった国はインドだと語っていたが、今回訪ねてみて、友人の言葉の真実性の一端を見た気がする。
大統領府や首相府の広大さや、軍人のきらびやかさ、富める人々の豪奢(ごうしゃ)ぶりがあるかと思えば、体や腕に触って、必死にまとわりつく貧者とも至る所で出くわす。宗教は、ヒンズー教を先頭に、イスラム教、キリスト教、シーク教、ジャイナ教、バハイ教、仏教、ユダヤ教など100種類を超え、祭る神も、サルの頭に人間の体を持つものなどさまざまだ。
人口は、2011年の国勢調査で12億1000万人という。カースト制度の最下層は人口に入っていないと指摘する人もおり、実際は中国を上回るという人もいる。
街に出てまず驚くのは、中国製3輪車トクトク(インドではレキシャと呼ばれる)が数多く、至る所で走っていることだ。
エジプトでもここ数年その数が急増したが、本道の通行は許されず、支道で、タクシー代わりに利用されている。それに引き替え、インドでは、正式にどの道でも通行できるらしく、完全にタクシー業務をこなしている。エジプトでは、子供が運転しているのも相当数見掛けるが、インドでは運転手は皆大人だ。
カイロでは一度も利用したことがなかったが、ニューデリーで初乗りを体験、料金の安さは魅力で、これに乗るとタクシーに乗るのは馬鹿らしくなる。もちろん、サービスは大違いだ。基本的に窓が無いので、風がまともに入ってくる。3人まで掛けられるが、友人と3人乗りすると窮屈だ。衝突したり転んだりしたら、その打撃をまともに食らいそうだ。
(S)