東南アジア競技大会で混乱


地球だより

 フィリピンで開催中の第30回東南アジア競技大会で、準備不足に伴う問題が相次ぎ、各国の代表チームに混乱が広がっている。

 現地入りしたカンボジアのサッカー代表は、何らかの理由でホテルにチェックインできず、床で寝る様子が報じられた。また、東ティモールのサッカー代表も空港で送迎車を数時間待たされた揚げ句、まったく違うホテルに連れて行かれたという。タイのサッカー代表はあまりに酷い渋滞で空港からの移動に長時間を費やし、初日の練習を中止にした。

 食事に関しても準備不足が露呈しており、シンガポール代表からはイスラム教徒用のハラール食品が少な過ぎるとの苦情が出た。さらに開催国であるフィリピンの女子サッカー代表のコーチも、食事の量や種類が少な過ぎて選手が必要な栄養を賄えないと指摘し、組織委員会に改善を強く求めた。

 その上、サッカー競技場のメディアセンターにはエアコンもなく、コンクリートブロックがむき出しだ。各国の代表団が記者会見を行う場所にはとても見えないため、ネット上で「フィリピン人として恥ずかしい」「まるで食糧庁の倉庫だ」などの批判が寄せられた。

 25日から大会が始まったにもかかわらず、いまだに工事中の会場もあるなど、せっかくの国民意識の高揚に水を差す状態で、莫大(ばくだい)な予算の使い道に対する不信感も根強い。ドゥテルテ大統領も運営を問題視しており、大会が終了した後に組織委員会が追及される可能性も出てきた。

(F)