タイマーのない扇風機
地球だより
ブラジルは夏真っ盛り。今年は全国各地で猛暑となっており、クーラーや扇風機が飛ぶように売れている。家電量販店に行くと、セール品のクーラーや扇風機が売り切れになっていることが多く、まさに夏商戦という感じだ。
ところで、ブラジルに来て驚いたことの一つが、扇風機があまりにシンプルで、タイマーさえ付いていないことだった。また、本体の樹脂の質や稼働部分の作りが非常に甘く、故障しやすい。部品の隅に大きなバリが付いているなど日本では信じ難いことだ。
日本でそれなりに名前の知られたメーカーの扇風機であれば、10年、20年と使い続けることができる。ところが、ブラジルの扇風機は1年やそこらでガタが出始めるものもある。少し高価なメーカー品を買わないと、安心して使い続けることはできない。
また、ほぼ全てと言っていいほど扇風機にタイマーが付いていないことに面食らった。クーラーをつけるほどでない夏の夜には、扇風機だけで休みたいが、タイマーがなく、つけたまま寝ると体調を崩す原因となる。日本から電化製品用のタイマーコンセントを取り寄せて問題は解決したが、タイマー付きの扇風機ほどの利便さはない。
扇風機にタイマーが付いていないことがどうしても理解できないので、知人に尋ねてみると、「タイマーを付けるとコストが上がるから売れなくなるのが理由かも」と答えた。安価で便利な家電製品を作って人々の生活を支えてきたことに、日本のメーカーは自信を持ってほしい。
(S)