与党機関紙に社会保障改革 「全世代型」始動を強調
リバランスと弱者配慮へ
臨時国会に当たり自民党の機関紙「自由民主」(10・15)は、「全世代型社会保障に決意」を安倍晋三首相の所信表明演説の見出しに取って強調した。また、衆参の各党代表質問が始まったのを受け公明党の機関紙「公明新聞」(10・11)の「主張」は、「公明党の代表質問/社会保障の強化へ目配り光る」と題して、「消費税率10%への引き上げが今月1日に実施された。社会保障を強化し、全世代型に転換するための重要な財源である」と指摘している。
自公の与党および政府が社会保障改革を「全世代型社会保障改革」と呼んで最重要課題とする方針であり、「自由民主」(10・8)は9月20日の政府の全世代型社会保障検討会議初会合、同24日の同党の人生100年時代戦略本部会合を扱った記事の中で「人口減少や長寿化社会の到来、経済社会環境の構造的変化に加え、一人一人の生き方や働き方も多様化が進む中、社会保障制度もその変化に対応する必要がある」として、12月に中間報告、来夏に最終方針をまとめることを伝えた。
また、「公明新聞」(9・27)は、「社会保障、全世代型に/党推進本部が議論を開始」の見出しで9月26日の同党の全世代型社会保障推進本部初会合の記事を載せ、同本部長の石田祝稔(のりとし)政調会長の発言から「党として11月末を目指し提言を行う」としている。
自民党は5月既に叩き台となる「人生100年時代の社会保障改革ビジョン」をまとめ、「自由民主」(6・4)で特集したことを本欄でも取り上げたが、年金制度で支えられる側と支える側のリバランスのため、高齢者でも働ける人はどんどん働けるようにする「エイジフリー」の発想などを盛り込んでいる。
公明党は、「国民年金などで生活をどう支えていくか」(公明新聞9・27)、「就職氷河期世代への支援」「認知症施策の拡充」を「解決を急ぐべき課題を見逃さない公明党らしい主張」(同紙10・11「主張」)と指摘するなど、「提言」で弱者配慮を求めていきそうだ。
編集委員 窪田 伸雄