首都で急増するネズミ
地球だより
米国の首都ワシントンでは、公園など街の至る所に野生のリスがいるのを見掛ける。しかし、近ごろ急速に増えているのは、同じ齧歯(げっし)類でも害獣とされるネズミだ。
こうしたネズミうちの1匹は先月、ホワイトハウスにも現れた。FOXニュース記者の足元で何かが動き、一瞬リスだと思ったが、大きな茶色のネズミだったという。
ワシントン市では、ネズミが急増していると伝えられる。地元紙によると、2017年に5300件以上ものネズミに関する通報があり、前年より50%も増えた。
理由は、富裕層の流入など人口増によりバーやレストランが増加し、そこから出るゴミがネズミの食料となったことが挙げられる。それに加え、比較的暖冬が続いていたことが、ネズミが繁殖する上で好条件になった。
ネズミはニューヨーク、シカゴ、ボストンなどでも増加しており、大都市が共通に抱える問題となっている。ワシントン市では、ドライアイスをネズミの巣穴に入れて窒息させたり、ゴミの圧縮機を普及させるなどの対策を取っているが、今のところネズミの減少にはつながっていない。
近年、再開発が急速に進んだ副産物ともいえるが、イメージ悪化にもつながるので対策が急がれるところだ。
(Y)