スマホから離れて夏休みを楽しもう
松本市立菅野中学校長 松島恒志氏
親子一緒にできること探そう
シンポジウム「スマホから離れて、夏休みを楽しもう」がこのほど、東京・本駒込の日本医師会会館大講堂で行われた。松本市立菅野中学校長・子どもとメディア信州代表の松島恒志氏は「子どもと電子メディア 園児・小中学生の実態~切実に悩む小中学生・園児の保護者はたくさんいるのです~」と題して学校での現状とその対策を概説した。
身を削ってでも子供との時間を
昨年、中学1、2、3年生たちに、スマホ、タブレット、ゲーム機を使うようになって、心配な事はあるか、というアンケート調査を行った。本人たちの答えで1番多かったのが、「やりすぎで、朝起きられない」など生活リズムが乱れた。2番、勉強中にラインやメールなどが来る、対応しないと、仲間外れにされるのではと心配だ。3番、お金、ゲームの課金のことが心配だ、という回答だった。子供たちは使っていて、弊害があることを分かっている。
小学生の保護者は、自身がゲーム世代ということもあって、何か仕事をしている時、子供がぐずると、ネットメディアを使うか、テレビ・ビデオを見せている。ゲーム・タブレットを使ってよいという。幼稚園・保育園の保護者は、躾(しつけ)アプリを見る。怪しいソフトを見る。子供にスマホをいじらせる。子供をおとなしくさせるため。親(母親自身か夫か不明だが)依存傾向がある。親のゲーム漬けが影響している。
校長や教育委員会の仕事をしていて、感じるのは、問題行動を起こした子供に対して、親の愛情不足が大きな原因になっているケースが見受けられ、親がしっかり関わっていれば事件を防げた事例が多い。
私の子供に就学前、テレビ、映画、ビデオを見せた。機関車トーマスを見せたり、こどもちゃれんじ「しまじろう」も、勉強させた。息子が年長組の秋のある日、ドラゴンボールを一緒に見ていた。セルが孫悟空の体を手刀で貫通させ、血が滴り、死にかけた時、「仙豆」を食べて、命がみなぎり、息を吹き返した。息子が「お父さん、人間って、生き返ることができるの?」と尋ねてきた、それには、驚いた。
与えておいて、後から使い方にダメ出ししても、子供は言う事を聞かない。ネットやゲームの禁止や制限を掛けても、問題は解決しない。「フィルタリング」や「ウイルス対策」はもちろんだが、ネット使用のルールやマナーを身に付けさせ、ネットの利用はよく考えることも必要。
親たちにお願いしているのは、スマホやネット以外に一緒に何かをするということ。ちょっと、背伸びをすれば、できるようなことを、一緒にやると、子供たちは喜ぶ。危なくない、簡単な料理の手伝いをさせるとか、お父さんが自動車のタイヤ交換を手伝わせるとか。
「先生、親の私たちも忙しいのよ!!」「仕事と育児で疲れているのよ!」「ストレスがたまるし、疲れている」「親の介護もある。休ませてほしい」「自分の時間が欲しい」という声もあるが、講演のたびに「子供に対して、親は、身を削ってほしい」と訴えている。











