世界最大の軍港
地球だより
朝鮮半島情勢の緊張の高まりとともに、米原子力空母カール・ビンソンが注目を集めている。全長330㍍、90機の艦載機、約5000人が乗り組む。空母と5隻の護衛艦を合わせたものを空母打撃群と呼ぶ。米国は現在、10の空母打撃群を保持しており、米海軍の世界的な戦力投射、制海のための主力だ。
米海軍の空母は、横須賀に配備中のロナルド・レーガンを除いて、米国のバージニア州ノーフォーク、カリフォルニア州サンディエゴ、ワシントン州ブレマートンの米三大軍港のいずれかを母港とする。
米国の三大軍港の中でも最大規模を誇るのは、ノーフォークである。世界最大の軍港であることは言うまでもない。複数の空母、巡洋艦や駆逐艦、強襲揚陸艇などがずらっと並ぶ壮観を堪能できるのは、世界でもここだけだろう。ノーフォークを母港とする米空母も5隻と一番多い。ノーフォークのすぐそばには米国最大の民間造船所があるニューポートニューズがあり、ニミッツ級航空母艦を建造可能なのはここだけ。ノーフォークそのものは人口24万人のバージニア州の地方都市で、首都ワシントンからは車で約3時間余りだ。
日本とも関係が深い。明治維新当時、浦賀に来航した4隻の黒船を率いたペリー提督はノーフォークから出航した。終戦直後に日本占領行政を指揮したマッカーサー元帥の国葬が行われたのもここで、その墓所はノーフォーク市内にある。アーリントン国立墓地にあるのはマッカーサーの墓標だけだ。
(K)