「民進プレス」の紙面改革 月刊化しネット併用の試み
二大政党・政権選択に使命感
民進党の機関紙「民進プレス」が3月17日号から衣替えした。1面で日本地図の上に書かれた「次の日本」との特集タイトルの下に「民進プレスは生まれ変わります。」と大きく告示した内容は、月刊化するという。つまり、タブロイド8ページで月2回発行が月1回に減る。その代わり、ウェブサイト、SNS(フェイスブック、ツィッター等)、ネット中継のニュース番組などを充実させる、という。
民主党時代から同紙は何度か体裁が変わったが、今後は日付は不要と思える。結党後、発行回数を増やすことを見据えての日付だったのだろうが、政権を失ってから党勢を挽回したとはまだ言えない。
月刊紙となることが、機関紙の衰退となるのか改革に値するかは同党の努力次第。紙面の記事は丁寧語のですます調になり、内容はやさしくしてある。3面で政策を扱うが、文末にQRコードが載り、スマホなど端末から同党ホームページに飛ぶことができる。リンク先のページには当該政策の関連法案の国会への提出のニュースが載り、関連する法案、政策などのPDFが置いてある。
紙面の装いを変えることは再出発でもあり、2面に同党代表になって半年の蓮舫代表インタビュー、4~5面見開きで「国民が政権を選択できる状況をつくり続ける」のタイトルで、英米の議会制民主主義制度の歴史を説明し、わが国の議会制の歴史を大日本帝国憲法発布にさかのぼって民主党時代の政権交代の意義を説いている。
その内容は保守党と労働党の英国、共和党と民主党の米国という二大政党が根付き、「二大政党の下では、常に政権交代可能な政党が2つ存在し、国民が現政権に不満を感じれば、選挙で政権を代えることができます。国民による政権選択が可能です」と説明。
「日本では、2009年にようやく本格的な政権交代が実現しました。『本格的な』とは、普通選挙の下で、『第一党』が入れ替わる格好での政権交代を意味します」と、民主党時代の政権交代の意義を説明。さらに、主に若い世代向けに日本の議会制民主主義の歴史をたどっている。
民進党にとっては、「本格的な政権交代の実現」が原点であり、そのために二大政党の一翼を担うことが党の使命感になっていると言えよう。「次の日本」の特集タイトルには、その志が現れている。
代表インタビューで「民進党の目指す『次の日本』とはどのようなものでしょうか?」と聞き手の大塚耕平広報局長に問われた蓮舫氏は、「『人を大切にする社会』です」と述べ、「教育無償化」「分散型エネルギー社会」の実現を例に挙げた。
支持する、しないは有権者が決める。民進党はまず力強い2番手になることが課題だ。大都市の議会選では2番手になれない選挙が続いた。典型は前回の東京都議選で、民主党時代だったが4番手だった。この状況から脱することができるのか、実力が試されよう。
編集委員 窪田 伸雄










