安倍首相に3つの提言
長野祐也氏「出版を祝う会」
政治評論家で元衆議院議員の長野祐也氏の著書『政界キーパーソンに聞くPART16』と『医療界キーパーソンに聞くPART3』の出版を祝う会が22日夕、都内で開かれ、与野党の有力国会議員らが多数参加した。
長野氏はあいさつで安倍晋三首相に伝えたいこととして3つの提言を行った。第一に、外交について「アメリカ、ロシアとの首脳外交には熱心で、これはこれで意義のあること」と評価しつつも、北朝鮮の核・ミサイルや拉致問題の解決に向けて「影響力のある中国を巻き込んでいく努力が不十分」として、対中外交に真剣に取り組むよう求めた。
第二に、人口減少・超高齢社会の中で、税と社会保障の一体改革を行う必要があると指摘。2度にわたる消費税率10%への引き上げ先送りによって大きく頓挫したが、世界に冠たる日本の社会保障制度を維持するためにも「野党との政策的一致点を探る発想に切り替えて行くべき」と強調し、将来像を示すよう注文した。
第三に、地震国の日本では、原子力発電への依存はリスクが大きいとし、将来の脱原発に向けた工程表を作るべきだと主張。民間企業である電力会社の協力が必要なため相当の時間がかかるが、「その方向に一歩踏み出せば、『自民党を中心とした政権がここまでやるのか!』という驚きが、新たな支持を生むだろう」と述べた。
これに先立ち、加藤勝信・働き方改革担当相、塩崎恭久・厚生労働相、石破茂・前地方創生担当相、田村憲久・前厚生労働相、漆原良夫・公明党中央幹事会会長、細野豪志・民進党代表代行、玉木雄一郎・民進党幹事長代理、亀井静香・元金融担当相、橋本五郎・読売新聞特別編集委員らが激励のあいさつ。また、発起人代表として木下義昭・世界日報社会長が冒頭のあいさつを行い、俳優の谷隼人氏らが花束を贈呈した。