大統領選走者の文在寅と北核リーダーシップ


韓国紙セゲイルボ

 宋旻淳(ソンミンスン)元外相の回顧録が政界を揺らしている。盧武鉉(ノムヒョン)政府が国連北朝鮮人権決議案について「事前に北朝鮮と協議した」という記述が真実攻防になっているからだ。

 文在寅(ムンジェイン)民主党(現・共に民主党)代表(当時)は、事前に協議したかどうか「率直によく思い出さない」というが、言葉通りならば、彼は会議参観者か仲裁者だったという話だ。

 実際そうだったのかは会議録を見てみなければ分からないが、問題なのは、文在寅氏が、国家懸案を決める次期軍統帥権者の席に最も近接した野党圏の大統領選走者であることだ。

 彼が夢見るのが「第2の盧武鉉政府」でないならば、「北朝鮮との事前協議はあったとしても、あってはならないこと」とはっきりと断じるべきだった。

 来年の大統領選挙は北朝鮮が核技術完成度を高める6回目核実験の強行後に行われる公算が大きい。南北関係はもちろん北核交渉のパラダイムが変わる。

 来月決定される米国の次期大統領は対北朝鮮強硬政策を予告している。最近訪韓したヒラリー・クリントン陣営の外交安保参謀は、「非核化の信号がない状態で、北朝鮮との対話は時間の浪費だ」と言い切る。

 文在寅は米国新政府とともに北核を正面で扱う準備ができているのか、回顧録波紋を見守りながら感じる疑問だ。

(黄政美(ファンジョンミ)論説委員、10月19日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。