祝日の意義
大型連休の真っ只中。国内外に旅行に出掛けたり、家族で里帰りしたりする人が多いから、東京都内の繁華街はいつもより静かになるかと思ったが、日中は逆に混雑している。地方から遊びに来ている若者たち、買い物客、食事を楽しむ家族連れ、それに季節柄、外国からの観光客も多い。
この期間、日本人はそれぞれに祝日の恩恵に預かっているが、その由来や意義を正確に答えられる人はどれだけいるだろうか。外国人から尋ねられて答えられないようでは、日本人としてちょっと恥ずかしい。行楽や買い物もいいが、少しだけ時間を割いて、家族で祝日について学んではどうだろうか。
祝日を定めているのは「国民の祝日に関する法律」。それには「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名づける」とある。だから、年に15回ある祝日の意義を知ることが大事なのだ。
大型連休中は「昭和の日」「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」が並ぶ。名称からその意義は察することができるが、何度も名称変更となった祝日もある。4月29日の「昭和の日」だ。
昭和天皇の御誕生日で、昭和23年までは「天長節」。それ以後は「天皇誕生日」となり、平成になって「みどりの日」に。昭和天皇が自然を愛されていたからというのが理由だった。しかし、その御聖徳を伝えるため「昭和の日」にしようという国民運動が起きて現在に至る。
最近はあまり聞かなくなったが、祝日はかつて「旗日」と言って、どこの家庭でも「日の丸」を掲げて祝った。古い家なら玄関先に国旗のさおを差すところが付いていた。大型連休に国旗をあまり見なくなったのは祝日の意義が忘れられているからなのだろう。(森)