北朝鮮の山林復旧を南北協力の突破口に


韓国紙セゲイルボ

 北朝鮮が金正恩(キムジョンウン)体制になってから強調することの一つは山林緑化である。韓国林業振興院によれば、現在、北朝鮮の山林は単位面積当たりの木の量を表す山林蓄積が韓国の3分の1にも達しない。過去、国土の80%以上が山林だった北は現在30%以上荒れ果て、国連食糧農業機関(FAO)は毎年約11万㌶の山林が消えていると見積もっている。

 山林復旧は単に環境保全だけでなく、洪水など自然災害の予防と山の経済的利用の向上、二酸化炭素排出権取引などの利益につながる未来の産業にすることができる。

 ならば、北朝鮮の山林復旧を南北協力の突破口とすることはできないだろうか。現在、南北関係は完全な断絶に陥りそうな状況であり、物理的衝突の危険性も高まっている。この状況で、韓国が電撃的な支援意思を表明すればどうだろうか。市民団体など対北支援団体を先頭に立ててもいい。

 山林復旧は対決的な政治問題と直結せず、“むやみに与える式”支援でもない相互利益の事業であり、過去禿山(はげやま)を緑化した韓国の成功的な経験を伝授する良い素材でもある。

 現在の南北関係で協力は単純な支援だけでは成り立ちにくい状況で、さらに北朝鮮はこれ以上の人道的支援は受けないという意向を明らかにしていることから、まさに山林緑化は支援の一つの代案として検討されるに値するものだろう。

(チョン・ヨンチョル西江大公共政策大学院教授・北朝鮮学、7月3日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。