歴代大統領、客観的に観るべき時
韓国紙セゲイルボ
尊敬しな風土は民族的不幸
日本帝国主義による植民統治と光復(解放)の後、南北分断など近代史を主体的に設計できなかったわれわれの社会は、これまで西欧イデオロギーの実験場になったり、民主化過程の混乱と国論分裂で、国民が同じく尊敬する大統領を持つことができなかった。
大統領を尊敬しない風土はそれ自体が分裂であり、民族的不幸である。大統領に対する尊敬こそ、最も実効的に国民を一つにさせる力なのに、われわれは今でも大統領に対して、地域別・階層別に極端な反応を見せている。
われわれはこれまで党派的見解で大統領を見てきた。特に肯定よりはまずは否定する傾向が強かったようだ。
だが、思ってみれば、大韓民国の建国がなければ、どうして今日のわれわれがいただろうか。経済開発がなければ、どうして今日の国家的富があったか。北朝鮮との首脳会談がなければ、どのように統一の門を叩(たた)けたのか。
今や、客観的・均衡的に歴史を眺める時期になった。時代的にどんな大統領が選ばれ登場しようが、歴史運命的な事件だったのだ。各大統領は国家の状況と国民の水準の決定だったとみる方が国民分裂を治癒する処方であろう。
国民和合の近道は自分が嫌いな大統領に対して尊敬点を探すところから出発しなければならないという気がする。
過去、大統領別荘だった青南台(忠清北道清原郡)が歴代大統領テーマ公園としてオープンした。大統領府本館を60%に縮小した大統領記念館、初代李承晩(イスンマン)大統領から李明博(イミョンバク)大統領まで、歴代大統領10人の業績と生涯を表した超大型の「大統領歴史記録画」、歴代大統領の銅像などが公開される。
高さ250㌢㍍の銅像製作は光化門世宗大王(セジョンデワン)彫刻像で有名な金ヨンウォン作家が引き受けた。金氏は、「初めは、李承晩大統領像製作の依頼を受けたが、独裁で退いた大統領という先入観のために自らも苦悶(くもん)に陥った」と回顧する。
李大統領に関する多くの文献を漁(あさ)った結果、真に外交の天才であり、その時期に必要な大統領であったという事実を知ったという。
朴正煕(パクチョンヒ)、金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)など他の大統領も同じことなのだ。
(朴正鎮〈パクジョンジン〉客員論説委員、6月4日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。