南北統一は米国にもメリット
韓国紙セゲイルボ
ビジョンと政策構想で協調を
来年は光復(植民地解放)70周年、南北分断70年になる。韓半島の分断は第2次大戦に勝利した連合国が世界秩序を再構築する過程で始まり、韓半島をめぐるイデオロギー対立が激しくなって構築された不幸な歴史の産物だ。
分断が内部の葛藤と対立に起因したわけではなかったように、分断の克服と民族の統一もやはりわれわれの力量と意思だけではできない。
年初から朴槿恵(パククネ)大統領は「統一は大当たり」という話題で、統一準備作業に積極的に取り組んでいる。統一が大当たりになるためには、統一の内的・外的環境を早く整備して、具体的実務作業が実行に移されなければならない。
分断の起源でありながらも、分断を成功的に管理できた韓米関係は、このような統一準備過程でも核心的な役割を担当することになるだろう。
だが、米政府や世論は、韓半島問題を概して“従属変数”と見なしている。韓米関係の重要性にもかかわらず、日米関係と米中関係の死活的利害関係の方がさらに比重が大きい。
米国は韓半島の安定と平和を南北統一より優先視している。統一韓国の登場が、米国の立場と利害関係にどんな変化をもたらすのか、統一が彼らにも“大当たり”だと受け入れる理由が何なのか、がまだ不明なためだ。
統一は相手である北朝鮮人民の関心と支持はもとより、周辺国が韓国の統一努力に共感して協力しなければ、その大業は成し遂げられない。そのため、最も信頼できる友邦であり、唯一の同盟国である米国からの全幅的支持は必要十分条件だ。統一過程で発生し得る軍事的衝突を事前に予防し、北朝鮮との特殊な関係を維持するロシアと中国の協力を勝ち取るためにも、米国の役割が絶対的だ。
統一韓国の登場は東アジアに新しい勢力構図を創り出す。既存の米・中・日・露の均衡が瓦解して、それが他の地域に影響を与えないためにも、韓米関係は平衡主の役割を果たさなければならないだろう。
韓半島の情勢変化と統一準備過程で米国が持っている戦略的利害と韓国の今後の政策方向に対して、韓米両国は緊密に疎通しなければならない。米国が憂慮している韓国の統一ビジョンと統一韓国の政策構想に対して、本格的に説明し協調を求めなければならない。韓国主導の平和的統一が米国と米国民に、韓国に劣らず“大当たり”であるという点を明確に説得しなければならないのだ。韓米両国はもう本格的な戦略的議論に着手しなければならない時だ。
(柳浩烈〈ユホヨル〉高麗大教授・北朝鮮学、12月5日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。