北朝鮮の急変事態と日本の集団的自衛権
韓国紙セゲイルボ
集団的自衛権は国連憲章上認められたすべての国家の固有権利だが、日本の侵略に遭った韓国や中国としては、日本が過去の歴史に対する徹底した反省なしに集団的自衛権を行使することに深刻な憂慮を表明せざるを得ない。
韓国政府の明示上の同意がなければ、日本がいかなる状況でも、韓半島領域で軍事的活動はできないと、韓国政府が明言したことは当然の措置である。
北朝鮮が4次核実験を押し切れば、北朝鮮の非核化は実現しない目標となり、長らく膠着(こうちゃく)状態に陥っている6カ国協議は廃棄されるほかはないだろう。
他方、北朝鮮は国際社会でより一層孤立化し、中国もこれ以上、北朝鮮の肩を持ちにくくなり、北朝鮮経済の崩壊で結局北朝鮮体制は核兵器とともに崩壊するしかない。
このように見れば、北朝鮮の4次核実験は北朝鮮体制を支えるのではなく、崩壊に導く序幕になる。南北合意による統一よりは北朝鮮の急変事態に迅速に対処して、状況を安定的に管理し、平和統一を実現するシナリオが現実味を帯びる。
そのような側面で、韓米同盟強化による軍事・外交的協力を堅固にしつつ、中国とも戦略的協力パートナー関係を発展させていかなければならない。従って、韓米中3国間の北朝鮮急変事態を協議する3者対話が必要だ。
日本は数年前から韓米日3者対話時に、北朝鮮急変事態を議論しようとして日本の役割を増大しようとしてきた。しかし、急変事態問題はこのように日本でなく、韓米中3国間で協議する問題だ。韓米日3国協力は北核問題に限定されなければならず、日本の集団的自衛権は、韓国政府が明らかに同意しなければ行使できないということを米国政府にも明確にする必要がある。
(李順天〈イスンチョン〉高麗大客員教授・元国立外交院長、5月23日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。