新型コロナで間一髪のニュージーランド脱出劇


 新型コロナウイルスでわが家も被害を受けている。感染者が出たわけではないが、ワーキングホリデーでニュージーランドに滞在していた次女がわずか1カ月で帰国を余儀なくされたのだ。それもロックダウンの最中、間一髪の脱出劇だった。

 英語専攻する次女が大学を休学し、同国最大の都市オークランドに飛んだのは2月末。当時、同国での感染者はゼロ。入国者に対する2週間の待機措置もなく、何事もなく入国できてホッとしていた。

 初の感染者が出たのは2月28日。そして、3月23日までに100人を超えてから事情が激変した。その間、次女はコロナ禍の影響で「仕事が見つからない」と嘆いていたが、同日、同国首相が26日から警戒レベルを最高の「4」に引き上げると発表。つまりロックダウンだ。

 同居者以外との接触は禁止となり、レストラン、カフェなどのサービス営業も不可能で、働き口を探すどころではなくなった。それが最低4週間続くという。しかも、日本への飛行機は3月30日から6月末まで飛ばない。

 やむなく次女は帰国を決めても、飛行機の座席が確保できない。なんとか、3月27日の便に空席を見つけた。それが日本に飛ぶ最後の便だった。しかも、フライトがキャンセルになる可能性もあるという。

 そうなれば、最低3カ月間は何もできずに、部屋に閉じこもることになる。「不安で眠れない」と、メールが届くが、日本にいては何もしてやれない。空港までの交通手段を確保するように、とアドバイスするのが関の山。フライト当日までは緊張の日々だった。

 幸いタクシーが走っていた。日本人で満席となった飛行機も予定通り飛び、次女は何とかニュージーランド脱出を果たすことができた。しかし、日本の空港で帰国者の次女を出迎えて接触した家内は現在、会社の要請で2週間の自宅待機中だ。

(清)