固有の魅力失いつつある韓国の観光地
韓国の旅行収支はここ数年、赤字を抜け出せない。韓国銀行によると、10月の韓国の旅行収支はマイナス9億5000万㌦を記録した。赤字は小幅減だったが黒字が急増する近隣国と比較するとみすぼらしい数値だ。
昨年の外国人訪問客が前年比19・3%(2869万人)増加した日本の観光産業の成長がすさまじい勢いだ。2011年600万2200人にすぎなかった外国人観光客数は6年間で5倍近く増加した。
日本観光ブームが蘇(よみがえ)ったのには理由がある。昨年冬、北海道で会った張慶在北大教授は日本の成功要因として「地域固有の魅力発見」を挙げた。「一例として美瑛町を観光地として開発する前に、まず地域住民、自治体、大学研究所が数年間話し合い、それまで知られていなかった該当地域の文化的原形と魅力を正確に発見するために努力した」と述べ、「住民に対する深層インタビューとワークショップなどを開催した後に、『農村体験型観光商品』を開発した」と伝えた。地域特有の魅力を探し出すよりは、他所の魅力を模倣するのに汲々(きゅうきゅう)としている韓国式の観光開発とは次元が違う。
金沢市ひがし茶屋街は伝統家屋保存地区に指定され、築数百年の建物の原形を全て保存している。観光地をつくると言いながら、古い建物と路地を潰(つぶ)してコンクリートの建物とアスファルト道路を敷いている韓国が何を逃しているかが分かる。観光開発という名前で強行される“整形手術”で韓国の観光地は固有の魅力を失っていきつつある。
ある業者は、「サードの余波(高高度防衛ミサイル配備によって中国が反発し国民の訪韓を制限したこと)だけを恨んでいる時ではない」と指摘した。
(キム・ラユン経済部記者、12月11日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。